なぜ天使の街?ロサンゼルスの由来と長すぎる本来の正式名称

ロサンゼルスの名前の由来は、スペイン語で「天使たち」を意味する言葉です。

もともとは、キリスト教の「天使の女王(聖母マリア)」に捧げられた非常に長い名称の町として出発しました。

この記事では、ロサンゼルスという地名がどこから来たのか、語源や成り立ち、歴史的な背景を紐解いていきます。

カリフォルニア州にスペイン語由来の地名が多い理由など、人に話したくなる雑学もあわせて紹介しますね。

項目 内容
由来の結論 スペイン語の「Los Ángeles(天使たち)」から
本来の意味 キリスト教の「天使の女王(聖母マリア)」にちなむ
元々の正式名称 エル・プエブロ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・ラ・レイナ・デ・ロス・アンヘレス・デ・ポルシウンクラ
記事で分かること 語源、長い正式名称の歴史、スペイン統治時代の背景、関連する地名の雑学など

ロサンゼルスの由来を先に結論から解説

ロサンゼルスという地名の由来は、スペイン語にあります。

カリフォルニアがまだスペインの領土だった時代に名付けられた言葉が、そのまま現代まで受け継がれています。

最も有力とされる由来

ロサンゼルス(Los Angeles)は、スペイン語で「天使たち」を意味する「Los Ángeles(ロス・アンヘレス)」が語源です。

18世紀後半、スペイン人の入植者たちがこの地に町を開いた際、聖母マリアを讃える名前を付けたことが始まりです。

カトリックの信仰において、聖母マリアは「天使の女王」と呼ばれています。

当初は非常に長い名前でしたが、時が経つにつれてその後半部分である「ロス・アンヘレス(天使たち)」だけが残り、英語読みの「ロサンゼルス」として定着しました。

地名の由来としてはこの一系統のみであり、歴史的な公文書や記録からも事実として確認されています。

由来のざっくり早見表

スペイン語から英語へと読み方が変化してきた過程を整理しておきましょう。

言語 表記と読み方 意味合い
スペイン語(起源) Los Ángeles(ロス・アンヘレス) 「天使たち」を意味する名詞
英語(現在) Los Angeles(ロサンゼルス) スペイン語の綴りをそのまま英語読みしたもの
日本語(カタカナ表記) ロサンゼルス(略称:ロス) 英語の発音をカタカナに置き換えたもの

ロサンゼルスの語源と成り立ち

なぜアメリカの都市にスペイン語の名前が付けられているのでしょうか。

その成り立ちは、アメリカ建国初期の時代背景と深く結びついています。

言葉や名称が生まれた背景

18世紀、現在のカリフォルニア州一帯は「アルタ・カリフォルニア」と呼ばれるスペインの領土でした。

当時、キリスト教の布教と領土拡大を目指すスペイン人は、この地域に次々と伝道所(ミッション)を建設していきます。

新しい土地や川を見つけると、カトリックの聖人や宗教的な出来事にちなんだ名前を付けるのが当時の慣習でした。

ロサンゼルスの基となる名前も、フランシスコ会の宣教師たちがこの地を流れる川に宗教的な名前を授けたことが原点です。

いつごろから使われているのか

地名として正式に機能し始めたのは、1781年のことです。

歴史的な流れを順番に見ていきましょう。

  1. 1769年:スペインの探検隊が現在のロサンゼルス川を発見する。
  2. 同隊がこの川を「ポルシウンクラの天使の女王である聖母マリアの川」と命名する。
  3. 1781年:スペイン軍の総督フェルナンド・デ・リベラ・イ・モンカダの指示により、川の近くに新たな入植地(プエブロ)が建設される。
  4. この入植地が川の名前にちなんで命名され、現在のロサンゼルスのルーツとなる。

このように、ロサンゼルスという地名は240年以上も前から使われ続けている歴史ある名前です。

ロサンゼルスの本来の名前と意味

ロサンゼルスといえば、その「本来の長すぎる正式名称」が雑学としてよく知られています。

入植当時にどのような名前が付けられたのか、詳しく紐解いてみましょう。

本来の長すぎる正式名称

1781年に建設された町に与えられた名前は、記録によって多少の揺れがあるものの、一般的に以下の名称として知られています。

「エル・プエブロ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・ラ・レイナ・デ・ロス・アンヘレス・デ・ポルシウンクラ」

(El Pueblo de Nuestra Señora la Reina de los Ángeles del Río de Porciúncula)

とても一息では読み切れない長さですね。

この長い名前は、いくつかの単語ブロックに分解して直訳すると、その意味がはっきりと見えてきます。

スペイン語の単語 日本語の意味
El Pueblo de 〜の町
Nuestra Señora 我らが貴婦人(聖母マリアのこと)
la Reina de 〜の女王
los Ángeles 天使たちの
del Río de Porciúncula ポルシウンクラ川の

すべてをつなげると「ポルシウンクラ川の天使の女王、我らが聖母マリアの町」という意味になります。

カトリックの信仰と、土地の目印である川の名前を組み合わせた、非常に荘厳な命名でした。

短縮されて現代の形へ

いくら宗教的に重要な意味があるとはいえ、日常的に使うにはあまりにも長すぎました。

そのため、次第に人々は長い名前を省略して呼ぶようになります。

その結果、名前の後半部分にあった「los Ángeles(天使たち)」の部分だけが抽出され、町の名前として定着しました。

その後、19世紀中頃に米墨戦争(アメリカ・メキシコ戦争)を経てカリフォルニアがアメリカ合衆国の領土となると、英語読みの「ロサンゼルス」として世界中に広まることになります。

ロサンゼルスにまつわる雑学

地名の由来を知ると、その土地の歴史や文化が透けて見えてきます。

ここでは、ロサンゼルスに関連するカリフォルニア州の地名や、呼び方にまつわる雑学を紹介します。

似た由来を持つカリフォルニアの地名

アメリカ西海岸には、ロサンゼルスと同じようにスペイン語やカトリックの聖人に由来する地名が数多く存在します。

代表的な都市の意味を知っておくと、ちょっとした知識として役に立ちますよ。

  • サンフランシスコ(San Francisco):アッシジの聖フランチェスコに由来。
  • サンディエゴ(San Diego):聖ディダクス(スペイン語でサン・ディエゴ)に由来。
  • サンタモニカ(Santa Monica):キリスト教の聖女モニカに由来。
  • サクラメント(Sacramento):キリスト教の秘跡(サクラメント)に由来。
  • ラスベガス(Las Vegas):隣のネバダ州ですが、スペイン語で「丈の低い草地、肥沃な土地」を意味します。

「サン(San)」や「サンタ(Santa)」がつく地名は、ほぼ間違いなくスペイン領時代の名残です。

別名「天使の街(City of Angels)」

ロサンゼルスは、アメリカ国内で「City of Angels(天使の街)」という愛称で親しまれています。

これは純粋に、Los Angelesという名前を英語に直訳したものです。

映画のタイトルや歌詞の中にもたびたび登場する美しい表現ですが、元をたどれば聖母マリアに捧げられた由緒ある言葉であることがわかります。

ちなみに、日本人はよく「ロス」と略しますが、現地や英語圏で「Los(ロス)」と呼んでも一切通じません。

英語圏では「L.A.(エル・エイ)」と略すのが一般的です。旅行の際などは気をつけたいポイントですね。

ロサンゼルスの由来に関するよくある質問

ロサンゼルスの元の長い名前は何ですか?

「エル・プエブロ・デ・ヌエストラ・セニョーラ・ラ・レイナ・デ・ロス・アンヘレス・デ・ポルシウンクラ」です。日本語に訳すと「ポルシウンクラ川の天使の女王、我らが聖母マリアの町」という意味になります。

ロサンゼルスは何語が語源ですか?

スペイン語が語源です。「Los Ángeles(ロス・アンヘレス)」というスペイン語の綴りを、そのまま英語風に発音したものが「ロサンゼルス」です。

「Los Angeles」の意味は何ですか?

スペイン語で「天使たち」という意味です。「Los」は英語の「The」にあたる男性複数形の定冠詞、「Angeles」は天使(Angel)の複数形です。

アメリカの都市なのにスペイン語の名前が多いのはなぜですか?

現在のカリフォルニア州やテキサス州などを含むアメリカ南西部は、かつてスペインの植民地であり、その後メキシコ領だった歴史があるためです。19世紀中頃にアメリカ領となりましたが、地名はそのまま引き継がれました。

ロサンゼルスを「ロス」と略すのは日本だけですか?

はい、「ロス」と略すのは日本独自の和製英語のようなものです。アメリカ現地や英語圏の人々は「L.A.(エル・エイ)」と略して呼びます。

ロサンゼルスの愛称「City of Angels」の由来は?

ロサンゼルス(Los Angeles)というスペイン語を英語に直訳すると「The Angels」となるため、そこから「天使の街(City of Angels)」という愛称で呼ばれるようになりました。

ロサンゼルスの由来まとめ

ロサンゼルスの由来について解説しました。

誰もが知っている有名な大都市の名前が、実は「天使の女王(聖母マリア)」に捧げられたスペイン語の長い祈りの言葉の一部だったとは、歴史のロマンを感じますね。

アメリカ西海岸を訪れたり、ハリウッド映画を観たりする際に、この「天使の街」の成り立ちを思い出すと、また違った視点で景色を楽しめるはずです。

関連する地名もあわせて覚えておくと、地図を見るのが一段と面白くなりますよ。