オンラインの対戦ゲームで撃ち合いになったとき、相手が左右に小刻みに動きながら弾を撃ち込んでくる。こちらの弾は当たらず、一方的にやられてしまう。
FPS(一人称視点シューティング)やTPS(三人称視点)を始めたばかりのプレイヤーが、最初にぶつかる壁がこの動きです。いわゆる「レレレ撃ち」と呼ばれています。
真剣な撃ち合いの戦術になぜ、こんなふざけたような名前がついているのか。
結論から言うと、昭和の人気ギャグ漫画『天才バカボン』に登場するキャラクター「レレレのおじさん」が語源です。
海外の最新ゲームを遊びながら、日本人は無意識に昭和のアニメキャラクターの名前を叫んでいる。少し不思議なこの言葉の成り立ちや、現代のゲーム環境でどう使われているのかを紐解いていきます。
| 知っておきたいレレレ撃ちの要点 | 概要 |
|---|---|
| 由来・語源 | 赤塚不二夫の漫画『天才バカボン』のキャラクター「レレレのおじさん」 |
| 名前の理由 | ホウキで掃きながら左右に小刻みに移動する姿に似ているため |
| 意味 | FPSやTPSゲームにおいて、左右にカニ歩きしながら射撃するテクニック |
| 英語圏での呼び方 | Strafe(ストレイフ)、A-D Strafingなど |
レレレ撃ちの由来を先に結論から解説
ゲーム用語には海外からそのまま輸入された言葉が多い中、「レレレ撃ち」は日本独自の表現です。
由来は『天才バカボン』の「レレレのおじさん」
レレレ撃ちという言葉の由来は、赤塚不二夫による国民的ギャグ漫画『天才バカボン』に登場する名物キャラクター「レレレのおじさん」です。
和服姿に下駄を履き、竹ボウキを手にしたあのおじさん。
「おでかけですか? レレレのレ」と謎の言葉を発しながら、ホウキで道を掃くために左右へ細かくリズミカルに移動する姿を覚えている人も多いはずです。
FPSゲーム内でプレイヤーが左右に細かく切り返しながら移動する挙動が、このレレレのおじさんのコミカルな動きにそっくりだったことから、「レレレ撃ち」と名付けられました。
知っておきたいレレレ撃ちの要点早見表
レレレ撃ちは、ゲームの歴史の中で自然発生的に生まれた言葉です。
言葉の成り立ちや意味を簡単に整理しておきます。
| 項目 | 解説 |
|---|---|
| 対象となるゲームジャンル | 主にFPS(一人称視点)やTPS(三人称視点)のシューティングゲーム |
| 操作方法(PCの場合) | キーボードの「Aキー(左)」と「Dキー(右)」を交互に入力する |
| 目的 | 敵の弾を避けながら、自分の弾を相手に当てること |
レレレ撃ちの語源・成り立ちの背景
銃で撃ち合うゲームのテクニックに、なぜ掃除をするおじさんの名前が結びついたのか。
当時の時代背景やゲーム環境を振り返ると、その理由が見えてきます。
なぜFPSの動きが「レレレ」と呼ばれたのか
PCでFPSゲームをプレイする場合、移動にはキーボードの「W・A・S・D」キーを使います。
前に進むWキーや後ろに下がるSキーはそのまま真っ直ぐ動きますが、左(A)と右(D)のキーを交互に素早く叩くと、キャラクターは前を向いたまま横歩き(カニ歩き)を繰り返します。
この「AとDをパタパタと交互に押し続ける操作」が、レレレのおじさんがホウキを左右に振ってゴミを掃くリズムと見事に重なったのです。
相手を倒すための必死な操作が、傍から見ると掃除のおじさんの動きに見えてしまう。このシュールなギャップが、日本のゲーマーたちの感性を刺激しました。
レレレ撃ちはいつから使われている?(発祥の時期)
明確な命名者は不明とされていますが、1990年代後半から2000年代前半にかけて、PC向けFPSゲームの黎明期から成長期に定着したという見方が主流です。
当時は『Quake』や『Half-Life』、『Counter-Strike(CS)』、後には『サドンアタック』といったタイトルが日本のコアなゲーマーの間で流行していました。
2ちゃんねる(現5ちゃんねる)などのネット掲示板で、プレイヤーたちが攻略情報や戦術を議論する中、直感的で分かりやすいこの表現が自然発生的に生まれ、あっという間にコミュニティ全体へ広がりました。
そもそもレレレ撃ちとはどんな動きか(意味と効果)
言葉の由来がわかったところで、実際のゲーム内でレレレ撃ちがどのような意味を持つのかを見ていきます。
敵のエイム(照準)を外させる防御手段
レレレ撃ちの最大の目的は、「敵の弾を避けること」です。
銃を撃ち合うゲームにおいて、棒立ちのまま撃ち合うのはただの的当てゲームになってしまいます。
左右に不規則に動くことで、敵がこちらに狙い(エイム)を定めるのを困難にさせます。右に動くと思わせて左に切り返す。リズムを一定にせず、フェイントを混ぜる。
被弾率を下げて自分が生き残る時間を延ばし、その間に相手を倒す。これがレレレ撃ちの本質です。
止まって撃つことの致命的なリスク
初心者が対人戦で負けやすい行動には、いくつか共通のパターンがあります。
- 敵を見つけた瞬間に立ち止まって撃ってしまう
- 前に向かって真っ直ぐ歩きながら撃ってしまう
- ジャンプばかりして落下地点を予測されて撃たれる
特に「立ち止まって撃つ」のは致命的です。
人間の反射神経には限界があるため、止まっている的は最も簡単に狙い撃ちされてしまいます。
「動きながら撃つ」。この基本にして奥義の第一歩が、レレレ撃ちなのです。
初心者が意識すべきレレレ撃ちの基本手順
実際にレレレ撃ちを習得するための基本的な流れは以下のようになります。
- 敵と遭遇したら、まずは左右のどちらかに移動し始める
- 移動しながら敵に照準(クロスヘア)を合わせる
- 射撃を開始しつつ、移動方向を逆へ切り替える
- 自分の弾が当たるように照準を微調整しながら、左右移動を繰り返す
口で言うのは簡単ですが、自分が動きながら相手に弾を当てるのは高度な技術を要します。
レレレ撃ちにまつわる雑学・豆知識
レレレ撃ちにまつわる、知っておくと面白い雑学を紹介します。
海外のゲーマーには通じない?英語での呼び方
当然ですが、「レレレのおじさん」は日本のキャラクターなので、海外のプレイヤーに「RERERE」と言っても全く通じません。
英語圏では、この動きをStrafe(ストレイフ)と呼びます。
元々は軍事用語で「戦闘機による地上掃射」などを意味する言葉ですが、ゲーム用語としては「前を向いたまま横移動すること」を指します。
キーボードのキー配置から「A-D Strafing(A-Dストレイフィング)」と呼ばれることもあります。
現代のゲームタイトルによるレレレ撃ちの有効性の違い
レレレ撃ちは万能なテクニックに思えますが、実はプレイするゲームのシステムによって有効性が大きく変わります。
| ゲームタイトル例 | ゲームの特徴 | レレレ撃ちの重要度 |
|---|---|---|
| Apex Legends Overwatch 2 |
体力が多く、倒すまでに時間がかかる。 動きながらでも弾が真っ直ぐ飛ぶ。 |
必須の極意。 いかに被弾を避けつつ弾を当て続けるかが勝敗を分ける。 |
| VALORANT CS:GO |
1発〜数発で倒せる。 動いたまま撃つと弾が大きくブレて当たらない。 |
工夫が必要。 一瞬だけピタッと止まって撃ち(ストッピング)、撃ち終わったらまた動くという特殊なレレレ撃ちが求められる。 |
自分の遊んでいるゲームが「動きながら撃てる」のか「止まらないと当たらない」のかを理解することが上達への近道です。
さらに進化した派生テクニック
単なる左右移動だけでなく、現代のプレイヤーたちはレレレ撃ちを進化させています。
- 屈伸レレレ: 左右移動の最中に「しゃがみ(屈伸)」を混ぜる。横の動きだけでなく上下の動きも加わるため、相手はさらに狙いをつけにくくなる。
- ロングレレレ: 細かく切り返さず、一方向へ長く移動してから切り返す。相手の予想を裏切るためのフェイント技術。
- 壁レレレ(ピーク): 障害物の裏から一瞬だけ顔を出して撃ち、すぐに隠れる。遮蔽物を最大限に利用する安全な撃ち方。
レレレ撃ちの由来に関するよくある質問
レレレ撃ちという言葉は誰が作ったのですか?
明確に誰が名付けたかは判明していません。1990年代後半から2000年代にかけて、PC用のFPSゲームを遊んでいた日本のネットユーザーたちの間で自然発生的に生まれ、定着した言葉です。
レレレ撃ちはパッド(コントローラー)でもできますか?
可能です。キーボードのA・Dキーの代わりに、左スティックを左右に倒すことでレレレ撃ちを行えます。ただし、一瞬で入力を切り替えられるキーボードに比べると、スティックは物理的に倒し込む時間が発生するため、切り返しの速度はわずかに遅くなります。
レレレ撃ちをしているのに撃ち負けてしまいます。なぜですか?
左右の切り返しリズムが一定(メトロノームのように等間隔)になっている可能性があります。上級者は相手のリズムを読んで弾を置いてくるため、右に長く動く、一瞬立ち止まるなど、不規則な動き(切り返しのフェイント)を混ぜることが重要です。
ストレイフとレレレ撃ちは同じ意味ですか?
基本的には同じ「横移動しながらの戦闘行動」を指します。日本ではキャラクターの動きに例えて「レレレ撃ち」、英語圏では横移動を意味する「Strafe」と呼んでいるだけの違いです。
レレレ撃ちの由来まとめ
FPSゲームにおける「レレレ撃ち」の由来と、言葉の背景を解説しました。
ポイントをまとめます。
- 由来は『天才バカボン』に登場する「レレレのおじさん」
- ホウキで掃きながら小刻みに左右に動く姿が、ゲーム内の横移動に似ていたため名付けられた
- 1990年代後半からのPC用FPSゲーム黎明期に、日本のネット掲示板で自然発生的に定着した
- 敵の照準を狂わせるための必須の防御手段である
- 海外のゲーマーには通じず、英語圏では「Strafe(ストレイフ)」と呼ばれる
eスポーツの世界大会でしのぎを削るプロゲーマーたちの高度な戦術が、日本では昭和のギャグ漫画のキャラクター名で呼ばれ続けている。
日本のゲームコミュニティ特有のユーモアが生み出した、ユニークな言葉の歴史だと言えます。
次にゲームで撃ち合いになったときは、レレレのおじさんのようにリズミカルに、そして不規則に動き回ってみてください。